古民家ウェディング「音の葉」 その8

正風園

2017年05月29日 22:58

古民家ウェディング「音の葉」  その8


各建物とメイン通路を繋ぐ飛び石と、玄関脇の主庭が大体になったところで、いよいよメイン園路の御影石平板張りに入ります。


予算があれば平板の下地にはベースコンクリートを打設して、強固なものにしておけば車が載っても大丈夫な仕様にできるのですが、予算の関係と車が乗り入れるような使い方はしないということで、今回は砕石転圧締固めのベースに、モルタルセメントで固めます。


御影石平板をモルタルセメントで固める場合は、「空練りモルタル」といってセメントと砂を「水を使わずに練り混ぜたモルタル」を使って不陸を直して締め固めて、平板の高さや位置が決まったら上から水を打ってセメントを固めるといったやり方が一般的なのかと思われますが、空練りモルタルに打ち水だけでは平板の付着が弱い感じがするので、自分は締め固めた後にセメントを水で溶いた「セメント溶液」を流しかけて平板を固定します。


この辺りは冬の寒さが厳しいので、平板の目地からしみ込んだ水分が凍結した「凍み上がり」で平板を持ち上げてしまうことがありますから、目地から水分がしみ込み難いように、目地をしっかり鏝で抑えて固めることも大事なポイントだと思われます。


今回は90×45センチの平板を3列並べの幅の通路にします。
通路の幅をキッチリとミリ単位で設計通りにするためには、両脇を決めておいてから中を通すやり方が正しいのかもしれませんが、今回は真ん中を通してから両脇を並べます。
多少幅が設計より広がったりしやすいのかもしれませんが、施工し易さは後者のやり方だと思います。
両脇を延べ石などで縁取る場合は、両脇のラインがきちんとしていないとカッコ悪いので、両脇の延べ石を先行してから平板を並べます。

今回は平板の加工がキッチリと正確なものでしたので、施工の順番による出来形への影響はありませんでした。



今回は玄関と茅葺の門までを結ぶのですが、高低差がけっこうあることと、庭の中を多少迂回しながらアプローチしたいというお施主様の一番のご意向がありましたので、全体に勾配をつけながら曲がり角を作り、門に向かっていく通路になりました。


平板を切って加工すれば狙った場所へ向かっていけるのですが、祝福を受ける新郎新婦がお客さんに向かって歩いてくるメインの園路ですから、小さな半端材が入ったようなものにしたくありませんでした。


曲がり角でねじれを作るように勾配と角度を調整して、ある意味誤魔化しながらの据付です。


大きな加工なく、違和感なく収まるのか、最後の1枚を敷き終わるまで、安心できませんでした。(^^;