古民家ウェディング「音の葉」 その7
古民家ウェディング「音の葉」 その7
さて、蹲(つくばい)ですが、水鉢を据えてみました。
水鉢には皆さんもご存知で有名な、
「吾、唯、足、知」(われただ足るを知る)の文字が入った「知足鉢(ちそくばち)」{「銭型(ぜにがた)」とも言われます}や
鉢一周に菊の花のような模様を彫り込んだ「菊鉢(きくばち)」
銀閣寺にある鉢を本歌取りした「銀閣寺鉢」
棗の実を模した「棗鉢(なつめばち)」などがありますが、
今回チョイスしたものは「鉄鉢(てつばち)」と呼ばれる、一番シンプルで一般的な鉢です。
一番シンプルで一般的なんですが、自分が一番好きな形なので、自分はこの形を使うことが多いです。
玄関から蹲部分越しに水車小屋を眺めたところです。
このアングルを正面に蹲周りの植栽を考えます。
まずは、水を引いた筧の位置を考慮しながら、水鉢の手元を照らす役割の灯篭の位置を決めます。
灯篭の基礎として「ぐり石」で固めます。
その上に砕石を転圧プレートで締め固めて水平が取れようにします。
今回チョイスした灯篭は「善道寺型(ぜんどうじがた)」灯篭です。
偶然なんですが、中台のところにご結婚されるお二人を祝福するかのような「ハートマーク」が彫られた、この現場に相応しいかわいい灯篭が手に入りました。
画像では分かりづらいですが「音の葉」に足を運ばれた方は、ぜひ確認してみてください。
そして今回、古民家を演出するのにどうしても使いたかった「梅の古木」です。
いつかどこか相応しい現場で使いたいと畑で大事にしてきた木です。
今回この作庭のお話をいただいてまず最初に頭に浮かんだ木で、自己満足ですが、もっとも相応しいところで使うことができたと自負していて、大切にしてきてよかったととてもうれしく思っています。
もうひとつのメインツリーです。
灯篭に添えた「火ざわりの木」として「黒文字(くろもじ)」の株立
役石の添えに「馬酔木(あせび)」
そして「カルミヤ」や「モミジの株立」で周りを飾ってみました。
まだまだこの後に低木や苔で彩っていいきます。