飯島町 F邸植栽工事 その3

正風園

2016年06月15日 01:09

飯島町 F邸 植栽工事 その3


元請け業者さんが搬入路の鉄板を敷いてくれてあるうちに、トラッククレーンで運び込みが必要な大きな木を植え込みます。

「ヤマボウシ」の株立ちと「ヤマモミジ」と「野村モミジ」の単木です。
ここ10年くらいは株立ちが人気で、どんな樹種でも株立ちを求められます。


株立ちとは本来、太くなった芯の幹が切られた後で出てきたひこばえが数多く立ち上がったものですが、植木生産業者さんも一度太くしてから元の付近で切って吹かし直して出荷できるまでにするには時間がかかってしまいコスト的に見合わないので、市場に出回っている手頃な大きさのものの半数以上は苗木のうちに「寄せ植え」されたものになっています。


我々のような施工業者も材料を扱う植木屋問屋さんも、本来の株立ちものと言える根元が一本になっているものの価値を知っているので、おのずと値段は高くなってしまいます。
お施主さんがそこまで求めていなければ、寄せ植えものでも全体の樹姿はそれほど違いませんので、楽しめれば十分だと思います。


ただ、今回特に感じたのは、株立ちものは樹種に限らずだいたい似たような樹形になってしまいますので、離れて眺めるとどの木も似たような印象になってしまうのは否めません。

そう考えると、今回遠景に植えた「ヤマモミジ」や「野村モミジ」の単木はその木の持つ本来の樹形や雰囲気を楽しめたり、北側に植えた「ヤマボウシ」の双幹ものなどは、独特の雰囲気があってインパクトがあるように感じます。
このヤマボウシの姿を見ていると、単木の方が、枝を広く張り出させるには向いているのかもと思えます。


上品な外観の建物にヤマボウシが負けていないと思うのは手前味噌でしょうか?
長年畑に抱えていた木でしたが、いいところに嫁いでこれました。