M邸 模様替え工事(竣工編)

正風園

2013年06月20日 01:23

M邸 模様変え工事(竣工編)


M邸の工事が完了しました。


歴史ある古いお屋敷でしたので、古い木も多く、
敷石や水鉢なども多く残されていいました。
どれも家の先人たちが残した財産です。
なんとか上手に活かして使うことを常に意識しました。


広い敷地ということもありますが、
敷石や飛び石をなんとかうまく使いたいと思っているうちに
「回遊式庭園」のようになりました。


旦那さんのご希望だった「竹の坪庭」です。


最近よく使う手法ですが、雑草を抑えるために
「ウッドチップ」でマルチングしてあります。
まったく生えなくなるわけではありませんが、
だいぶ効果があると思います。
土ホコリを抑える効果もみこめます。


真ん中に植えた常緑広葉樹が今回のメインツリー(主木)と言える
「ヤマグルマ」です。
ヤマグルマ科ヤマグルマ属
「一科一属一種」の面白い木です。
我々の地方は常緑の広葉樹で使える樹種が限られるのですが、
ヤマグルマは品があって自分は大好きな木です。
山にあるものは大木になって「常緑高木」に分類される種類ですが、庭木の材料として出てくることがなかなかなくて、
人気もあるので必然的に値段も高いですが・・・
特にこの木くらいの枝が茂って全体のバランス良く使いやすい大きさのものになると、ほんとに出会えません。

今回も馴染みの植木屋さんに泣きついて脅して拝み倒して入れてもらいました。
「もう二度と出てこないつもりでいてね」と言われちゃいました。
お施主さんが気にいらない様子でしたら、
手元に置いておきたいくらいです。


玄関アプローチ、お座敷前庭には「化粧砂利」を敷きました。
防草シートを敷いてその上に砂利を敷いてあるので、
雑草を抑える効果も期待できます。


化粧砂利を入れると「落ち着き」が感じられると思いませんか?
「落ち着き感」を出すためには、実はコツがあります。
枯山水の庭では砂利は「水」を表すように、
まずは「水を打った水たまり」のように
「平らに綺麗に」均すことです。
次に、飛石の周りや建物との「切り付け」を
きちんと丁寧に均すことです。

要は雑な感じを出さないように丁寧に均すことですね。


今回は予算の関係により他のところには化粧砂利を入れられませんでしたが、いずれは敷石園路と飛石の周りは化粧砂利を入れる予定です。
飛石の打ち方が高くなっているのは、いずれ砂利を入れる予定のためです。


「毎日、庭の中を歩くのが楽しみになりそうだ」
と言っていただきました。
「もっと早く庭を直せばよかった」
とも言っていただきました。
庭師冥利につきますね・・・嬉しいです。